市場開放の考え方 その4

市場開放を成功させるための注意

昔は、多くの卸売市場の正門に「卸売市場なので小売はしません」の看板がありましたが、現在は卸売市場における一般開放は、文字通り一般的に行われています。

 

しかし、法的には「卸売りをする場」であることは変わっていませんので、一般開放の方法は市場によってかなり違います。

 

新潟中央市場や福岡市場など最初から一般開放の場として施設を建設するケースも増えていますが、ここでは公設市場内の関連、仲卸が定期的な一般開放を行う場合の注意事項を書いておきます。

 

1「卸売市場」のスタンスを崩さない。市場ブランドは圧倒的な集客力を発揮。

 

2「毎日が開放日」は成功しない。最初は月1回。慣れて月2回、週1回は冒険。

 

3チラシ、地域新聞の活用をはかる。行政広報の協力、ネットの活用も。

 

4市場開放日のネーミングも重要。

真っ昼間市、ニコニコ感謝デー、新鮮市、いちばいち。旬鮮市、ごんせ市、だんべ市

 

5販売企画は偉い人より若い人。女性の意見。

 

6「とりあえず実施」は失敗。準備は時間かけて意思統一。

 

7水産・青果・食肉の生鮮3品が集客力の要。

 

8関連単独は魅力少ない。売る立場より買う立場。

 

9総合食品のワンストップ、酒の安売りも魅力。

 

10参加は強制しない。店の前をきれいにしておくなどの協力も可。

 

11小売商の協力を得る。小売商活性化のチャンスとしても位置つける。

 

12ただし組合単位の販売はしない。売れば自分の利益に。従業員のただ働き厳禁。

 

13共通の目玉商品、抽選・プレゼント等は有効。

 

14イベントによる集客は一時的。遊具も無理のない範囲で。(市場祭りと目的は別)

 

15集客のカギは鮮度と価格と品そろえ。売れ残りの安売りは逆効果。

 

16休憩所も準備。必ず食事ができるようにする。食堂開店、屋台誘致。

 

17商品のはみ出し、ゴミ出し厳禁。

 

18 販売開始よりも販売終了時刻の統一が大事。(早く開始しても終了時間までは売る)

 

19売上・経費等も含めた実施後の総括を必ず行う。

 

20顧客名簿。買物サービス券等でダイレクトメールやアドレスを聞きネット通信を。

 

21築地市場のパンフレット「仲卸業者売場では、仲卸業者が販売する通常の取引単位(キロ)で買い受けすることは可能ですが、一般的な「小売り」は行っておりません。」